筋トレは本当に奥深いものがあり、単純に重り動かすだけでもダメで
例えば握り方一つでも効き方はまったく異なったものになります。
トレーニングの際、いつもバーベルやダンベル、マシンのハンドルを握る時、サムラウンドかサムレスか考えながら握っていますか?
ただ習慣でなんとなくやりやすい方で、という方多いのではないでしょうか。
そんなのバーを落とさなきゃ、同じなのでは?
どうせパワーグリップ使うから変わらないでしょう?
と安易に考えているという方は、見直していく必要があります。
というより一度意味を理解してから選択し意識を高める事でより筋トレの奥深さを感じることが出来るようになります!
またグリップ一つで、筋トレの効果やケガのリスクが変わってきます。
たかがグリップかも知れませんが大切な事だと認識し、今後の筋トレの効果をより高いものにしていきましょう。
まずはサムレスグリップとサムアラウンドグリップの特徴からおさらいしていきます。
握り方の種類と特徴
まず、握り方の基本ですが握り方は主に二つ
親指の使い方で分けています。
親指もバーに巻き付けるサム(親指)アラウンド(巻き付ける)グリップと
親指をバーから外す(レスする)サムレスグリップの二つありますが、たかが親指の使い方ひとつでも、それぞれ特徴があります。
それぞれの大きな特徴としては、
・手の平から手首、肘までにかかる重量の乗り方が変わります
・肩甲骨と肘の動作軌道や制御が変わります
・安全性
・手首と前腕の可動域及び負担
といったところを考えて使い分けていくのが良いとされています。
それでは、具体的にどう違うのでしょうか。
サムレスグリップの特徴とオススメの種目
親指をバーから外すサムレスグリップの特徴は、重量のかかる位置が、手首の内側(親指側)となりやすく親指の付け根の骨が支点とすることで、ベンチプレスなどでは手首全体で押すことができ、手首への負担が軽減されるというメリットがあります。
また、ラット系の引く種目では小指中心で引く事で上腕二頭筋などの力を使わずに背中へ効かせやすいという特徴があります。
上腕三頭筋や三角筋の種目では前腕部への負担が軽減されるサムレスグリップが推奨されています。
ただラットプルダウンなどで広背筋を狙う場合には、一般的に推奨されているサムレスグリップよりサムアラウンドグリップの方が効果が高いと鈴木雅選手が推奨していました。
(詳細はこちらアイアンマン2017年5月号 p39)
サムレスグリップの特徴
・バーを掴むというより載せる感覚で握り込まずターゲットに効かせやすい
・手首の可動域がサムアラウンドに比べ大きくなる。
・小指と薬指側に力が入りやすくなる
・手首への負担が軽減される
・握りが弱くなりバーを落とす危険がある
・腕橈骨筋(わんとうこつきん)前腕部分の筋肉が働き肘を絞った動作になるため狙った部位に効かせやすくなります。
サムレスグリップで行いたい種目
・ベンチプレス(大胸筋に効かせたい場合)
・大円筋を狙ったラットプルダウン
・ベントオーバーロウ
・アップライトロウ
・ライニングトライセプスエクステンション
・ケーブルプレスダウン
・クローズグリップベンチプレス
・スミスマシンや他マシンでのプレス、プル種目
サムレスグリップの注意点
手首への負担が少なく重量を伸ばしやすいとされているサムレスグリップですが、やはり落下の危険性が高まるので、特にベンチプレスでは注意が必要です。
ベンチプレスではサムレスグリップで行う方が大胸筋に刺激が多く入りやすいという意見もありますが、安全性を優先させるべき時もあります。
どうしてもサムレスグリップで行い大胸筋を追い込みたいという場合には、セーフティラックの設置やスミスマシンなどのマシンで行う場合に留めていくべきだと個人的に思います。
サムアラウンドグリップの特徴とオススメの種目
親指をしっかりと巻き付けるサムアラウンドグリップの特徴は握る力の向上による安全性と手首の可動域縮小による軌道の安定性が高めることが出来ますが、種目によっては手首を痛めやすかったり前腕部の疲弊が多く狙った部位に効かせづらくなるなどの課題もあります。
サムアラウンドグリップの特徴
・手の平にバーがしっくり収まる
・種目によって軌道の安定性が高まる
・手首の可動域が狭くなり安定性が高まる分、ケガをするリスクは高まります
・人差し指と親指に力が入るようになる為、握力が先に疲弊してしまう
・前腕や上腕の補助が入りやすいため、狙った部位に効かせづらいとされている
サムアラウンドグリップで行いたい種目
・バーベルベンチプレス
・ダンベルプレス
・バックプレス
・デッドリフト
・広背筋を狙いたい場合のラットプルダウン
・ダンベルカールやダンベルプレスなどダンベルを使用する種目
サムアラウンドグリップの注意点とコツ
サムアラウンドグリップで行う場合例えばベンチプレスであれば、手の平を八の字に保つ事で手首への負担は減らせます。
また手首を立てるのではなく、軽く寝かせ前腕の延長線上にバーが乗るようにさせると肩への負担も減らせるようになります。
また、ラット系の種目ではバーを指の第二関節から小指中心で握り、握りすぎないように強弱をつけると良いでしょう。
ポジティブ時にはある程度握り、戻す時は小指側で保持する様に意識させる事で肩甲骨も上がることなく姿勢を保てるようになります。
サムレスグリップとサムアラウンドはどう選択すれば良いか?
結論を言いますと人によって意見が異なりますので、あくまで自分のやりやすい方で行うと良いでしょう。
個人的にはずっと、ラットプルダウンはサムレスグリップで行ってきましたが、最近は鈴木雅選手の記事を読んでサムアラウンドに切り替えましたが、正直に言うとあまり効果の方はまだ実感出来ていません。
人それぞれ、腕の長さも違えば握力、扱う重量、バーへの手幅の間隔が違うわけですから、自分にあった方法を探すというのが正解なのもしれません。
ただ、いつも言っている事ですが、筋トレでケガをしない事を優先させるべきです。
効果の程は多少違っても、安全が第一という事だけは忘れないように。
ますは軽い重量でバーを載せる位置や手首の角度など細かい確認をしてサムレスかサムアラウンドか選択すると良いでしょう。
それでは、また。